推しの卒業を初めて経験することになった

アイドルは永遠じゃない。
アイドルがずっとアイドルとしてステージに立ってくれていることは、本当に奇跡だ。
近年のアイドル界を見ていてそんなのは痛いほど分かってた…頭では分かってたつもりだった。

でも、ももクロちゃんだけは例外だと思ってた。
ずっと5人で、これからも5人で、もっともっと見たことのない景色を見せてくれると思ってた。
一緒に誰も見たことがない世界を作っていけると思ってた。
かなこちゃんが「SMAPさんや嵐さんの女性版になりたい」って言ってくれたみたいに、ももクロちゃんはずっと5人でももクロちゃんなんだと思ってた。

でも、別れは突然、あまりにも突然に告げられた。
今でも心のどこかで夢なんじゃないかと、夢ならいいのにとずっと思ってる。

いや、本当はずっと5人で…を確信していたわけじゃない。
いつかこんな日が来るような気がして怖かった。
気のせいであってほしかった。


ももかがももクロの緑としてではなく、ソロアーティスト有安杏果として初めてステージに立つ姿を見たとき、それは本当に本当に素晴らしいライブだったのだけれど、いつか彼女のやりたいことがグループの枠に収まりきらなくなる日が来るのではないかと不安になった。
自分だけのステージを自分で創り上げるももかが、あまりにも素敵でかっこよくて輝いていたから。
ももかソロライブの帰り道で、どうかももクロちゃんが、それぞれの夢を叶えられる場所でありながら、ももクロちゃんでい続けてほしいと強く願った。

ももかの卒業発表を聞いたとき、わたしは「やっぱりソロでもっと音楽をやりたいんだろうな」と思った。
でも彼女の卒業理由は「普通の女の子に戻りたい」だった。
少しびっくりした。
音楽が大好きなももかを知っていたから。
音楽をするのに決して向いているとは言えない身体で、たくさんの痛みや苦しみを乗り越えて、人の何倍も努力して、それでも歌うために努力をやめなかったももかを知っていたから。
どうしてあんなに才能があって音楽を大好きな子に、もっと強い喉を与えてやらなかったんだろうと神様を恨んだりもした。

でも、彼女が選んだのはももクロとしての未来でも、ソロアーティストとしての未来でもなく、普通の女の子の生活だった。
考えてみれば当たり前で、ももクロの中でも芸歴が一番長く、0歳から芸能活動をしていたももか。物心がついたときにはカメラの前に立つ生活。
本当にただ学校に通うことも、買い物に行くことも、他の子と同じようにはできなかったんだろうな。
思春期も青春も、芸能活動と一緒に過ごしてきたももかが、普通の生活に憧れるのは無理もない。
グループの中で唯一大学進学を選んだのも、普通の感覚を持っていたかったのもあるんじゃないかなと思う。
まじめなももからしいよね。

とてもすっきりした表情で「人生で1度くらいは何も予定がない日々を過ごしてみたい」「これからのことは何も決まってないし、決めたくない」とまっすぐカメラに向かって笑顔で話すももかはどうしようもなく綺麗で、涙が止まらなかった。
寂しい、嫌だ、やめないで…いろんな感情がぐるぐるしたけど、あのももかを否定なんかできなかったし、すでに前を向いて進んでいる他の4人を見たら、もう何も言えなかった。

彼女たちは本当に強い。
こんなときだって5人は「ファンのみんなに申し訳ない」「ファンのみんなのためには~」ってそればっかり。
一番つらくて寂しくて不安なのはメンバー自身なのに、いつもの笑顔で元気に5人でカメラの前に立つ。
メンバーの卒業にグループ全員でマスコミ各社のあいさつまわりしてるアイドルなんて初めて見たよ。
本当にどこまでもプロだ。
でも、弱さも甘えも許さずに彼女たちをここまで強くさせてしまったのはわたしたちだから。
本当にごめんね。ありがとう。


まじめでまっすぐで泣き虫でファン想いのももかだから、本当に悩んで考えて苦しんで出した答えだと思う。
周りに迷惑をかけるとか、ファンを悲しませるとか、ももかが絶対やりたくないことだったと思う。
それでも、それをすると分かっていても、ももかが決めたことだから。

本当にもう疲れてしまったんだろうなとか、よほどつらかったんだろうなとか、いろいろ考えては、気づいてあげられなくて、気づいてないふりをしてごめんねって思う。
ファンは誰よりもその子のことを見ていて、何でも知っているような気になっているけれど、実際はなんにも分かってなかったんだと思い知らされる。
アイドルがファンに見せている顔なんて、結局はほんの一部でしかないんだよね。

ずっとわがままも言わずに頑張ってきたももかの、最初で最後のわがままだから、聞いてあげなくちゃいけないね。

どうか、どうか幸せになってほしい。
それは普通に恋して、結婚して…とかいう意味じゃなくて、もちろんももかが望むならそれもしてほしいけど、ももかの新しいステージで輝いてほしい。
22歳、まだ何だってできるし、何にだってなれる。
いつも周りのことばっかり考えて自分のことは後回しにしてしまうももかだから、しばらくは自分のことだけ考えてゆっくりわがままに生きればいい。
やりたいことはやってみて、やめたくなったらやめてみて、自分の道を見つけてほしい。
やっぱりまたいつか音楽はやってほしいけれど、もっと好きなものが見つかればそれをやればいいし。
ももかなりの生き方、見つけてね。

ももかに出会えて、ももかのいるももクロちゃんに出会えて本当に本当に幸せだったよ。
ももかの力強い歌声も、小さな体を使って全力で踊るキレキレのダンスも、ちょっぴりおバカなところも、滑舌があやしいところも、4人のわちゃわちゃから少しだけ離れてにこにこ見守ってるところも、ぶりっ子させられたら照れて隠れるところも、いつもファンのことを気遣ってくれる優しさも、セーラームーンを大好きでいてくれるところも(ありがとう!)…あげだしたら本当にキリがないけど、全部全部大好きだよ!!
今回のことでいろんな意見もあったと思うけれど、ももかの笑顔と勇気と努力に救われてきた人がたくさんいるんだよって、あなたはたくさんたくさん愛されていたんだよって、伝わっていたら嬉しい。
自信を持って飛び立ってほしい。
本当に本当にお疲れさまでした。
たくさん幸せをくれてありがとう。
今までもこれからもずっと大好きだよ。

1月21日の5人の最後のステージ、自分がどういう感情でいるのか、そのときになってみないとまだ分からないけれど、5人ならきっといつも通り最高のステージを見せてくれる。
4人になったももクロちゃんを今まで通り応援していける自信はまだないけど(4人のももクロちゃんが嫌なんじゃない、5人じゃなくなったももクロちゃんを受け入れられる自信がないだけ…我ながらどうしようもない箱推しだよ…)、夢は続くからね、どんな形でもずっと応援してる。

正直わたしはもしももクロちゃんが5人じゃなくなる日が来るくらいなら、解散してほしいとすら思ってた。
でも今は4人で続けると言ってくれてほっとしてる自分がいる。
ほんっとファンって勝手な生き物だよね。
ファンは続けるのもやめるのも戻るのも簡単だけど、本人たちはそうじゃない。
そんな勝手で不確かなもののために、思春期も青春も全部捧げてくれてさ…ほんとアイドルとファンの関係って何なんだろうって思ってしまう。

でも、「ももかの幸せのために…」とか言うけど、というかここまでわたしも散々書いてきたけど、4人がももクロを続けることが不幸だなんて思いたくないし、ももかがももクロで不幸だったわけでもないと思いたいんだよね。
ファンのエゴでしかないけど、それを証明してほしくてももクロは続いてほしいし、ももかはももクロを卒業したことを糧にしてもっと輝いてほしいと思ってる。
ほんとファンは勝手なこと言うよ…

ここまで自分の気持ちを整理したくてぐだぐだ綺麗事も書いたけど、結局何が言いたいかさっぱり分からないし、いまだに受け入れきれてもいない。
ほんっと無理!つらい!寂しい!!つらい!!!!!
あえて脱退卒業を前提として活動するグループを避けてきたから推しの卒業に耐性がないんだよ…こういうときどうしたらいいかぜんっぜんわっかんないよ…
いろんな意見があると思うし、あっていいし、正解なんかないけど、とりあえずみんなつらいんだよね。
ファンは推しに似るってよくいうけれど、本当にそのとおりで緑推しさんはももか同様まじめで愛が重い人が多いから…
たぶんももかのために受け入れようと苦しんでると思う。
でも、無理に受け入れなくていいと思うんだ。
緑推し以外の人も同じ。
どうしたって1月21日はやってくるけど、つらい、寂しい、辞めないでって気持ちも、ももかに対して負の感情を抱いてしまっても、それを押し殺す必要はないし、どこかで吐き出したっていいし、無理に4人のももクロちゃんを応援し続けなきゃいけないわけでもない。
つらかったらやめればいいし、また応援したくなったらすればいい。
結局彼女たちはお仕事だけど、ファンは趣味だからね…勝手な生き物でしかいられない。


ここ数日でいろんな意見も、ももかの言葉も、4人の言葉も聞いて、ここまで書いて、少しだけ整理できたようなそうでもないような感じだけど、ありがたいことに21日のチケットはご用意いただけたので、5人の最後のステージを見届けてきます。

絶対しぬほどつらいと思うけど、何か光が見えるといいなと思う。